アンドロゲン補充療法とは、男性更年期障害などの改善を目的に、男性ホルモンを補う治療法です。
男性ホルモン補充療法とも呼ばれます。
加齢で衰えるテストステロンの分泌を、薬剤によって補います。高齢者の健康増進や生活の質の向上が期待できるのです。
2000年以降、男性のホルモン補充療法や男性更年期障害といった言葉も、広く認知されてきています。
アンドロゲン補充療法は男性更年期障害に効く
アンドロゲン補充療法を行えば、男性更年期障害の症状が改善されます。さらに、成人病の発症率も下げられるのです。
アンドロゲンを続けて補充することで、体内を男性ホルモンを作りやすい環境に整え、男性更年期障害からの回復が見込めます。
男性更年期障害の諸症状が改善する
アンドロゲン補充療法は、男性更年期障害の症状を改善させます。
性機能や肉体機能の改善から、うつ状態といった精神面の回復など、身心ともに効果を発揮するのです。男性更年期障害の症状は、下記の通りです。
【男性更年期障害の症状】
身体的症状 |
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精神的症状 |
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アンドロゲン補充療法の具体的な効果は、性機能と性欲の上昇、そして筋力と筋肉量の増加です。
また、骨形成を促進し、骨の密度も増やします。
他にも、体脂肪を低下させ、総コレステロールと悪玉コレステロールを減少させるなどの効果もあるのです。
これらの効果から、表にある男性更年期障害の諸症状が改善されます。
自力で男性ホルモン値を戻せるようになる
アンドロゲン補充療法を行うことで、活動意欲が高まり、自力で男性ホルモン値を上げられる体内環境を作れます。
男性更年期障害になると、疲労を感じやすくなり、物事への執着も希薄になります。
行動意欲も低下し、肉体も衰えていってしまうので、より一層、男性ホルモンが生まれにくくなってしまうのです。
アンドロゲン補充療法で男性ホルモン値が回復すれば、活動意欲や運動意欲が高まり、能動的に活動できるようになります。

アンドロゲン補充療法によって、男性ホルモンが自然と増える状態ができあがります。
アンドロゲン補充療法が受けられる条件
アンドロゲン補充療法は、更年期障害の症状が出ている40歳以上の男性が受けられます。具体的な条件は、血中遊離型テストステロン値が11.8pg/ml未満の患者が治療の対象となるのです。
【血中遊離型テストステロン値の比較】
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血中遊離型テストステロン値は、血液の中にあるテストロンの数値で、男性更年期障害の診断基準です。

アンドロゲン補充療法が受けられない条件
血液中のテストステロン値が規定未満でも、アンドロゲン補充療法を行えない場合があります。
代表的な例を挙げると、前立腺がんを患っている人や、重度の肝機能・腎機能障害を患っている人などです。

【アンドロゲン補充療法が受けられない疾患】
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