カポジ肉腫の一般的な症状は、以下の通り。
カポジ肉腫の初期症状としては、皮膚上に赤茶色の斑点ができます。手足や顔、口の粘膜によくできます。
最初は痛みはありません。しかし、病状が進行すると病変の色が濃くなり、膨れ上がってコブになります。
また、痛みも出てきます。他に症状が出やすい部位としては、目の周囲や瞼の内側が挙げられます。
目の周囲に関しては痛みやかゆみはないといわれています。また、肺や腸、胃といった内臓部分にも発症します。

カポジ肉腫には古典型・アフリカ型・免疫抑制型・AIDS関連型と4タイプあり、そのタイプによっても症状や進行具合、症状の重さが違ってきます。
以下、各タイプを見ていきましょう。
古典型カポジ肉腫
古典型はAIDSとは無関係で、イタリアや地中海沿岸に風土病として発症するカポジ肉腫です。
主に50代以上の男性に多く発症します。
下半身にカポジ肉腫の症状が現れ、数年から数十年かけてゆっくりと症状が進行します。
内臓や粘膜に発症する確率は10%以下と低く、他の型に比べて症状は軽いとされています。
アフリカ型カポジ肉腫
アフリカ型はアフリカ内陸部の風土病として知られています。こちらもAIDSとは無関係です。
古典型とは対照的に、子供に多く発症します。

免疫抑制型カポジ肉腫
免疫抑制型は主に臓器移植後患者に発症します。
臓器移植をすると、免疫系組織が移植臓器を攻撃しないように大量に免疫を抑制する薬が使用されます。

免疫抑制剤の使用を減らしたり中止することで、カポジ肉腫の症状は治まります。
AIDS関連型カポジ肉腫
AIDS関連型はHIV感染者が免疫不全になったときに発症します。
HIVウイルスによって体の免疫力が弱まると、カポジ肉腫を発症させるのです。
皮膚や目、消化器や肺、内臓などです。肺や内臓に発生すると死に至ることもあります。
アメリカや日本などの先進国では、AIDS関連型カポジ肉腫を発症させた人のほとんどが男性同性愛者でした。

したがって、これより下の項目についてはAIDS関連型カポジ肉腫に焦点を当てて解説していきます。