「ストレスで抜け毛が増える」という話を聞いたことがあるかたは多いのではないでしょうか。これは、ストレスの症状として髪が抜けるわけではなく、ストレスが生活習慣に影響を与え、その結果として薄毛になってしまうのです。
ストレスが過度にかかると、食欲不振や不眠、血行不良といった症状があらわれます。

食欲不振での薄毛
ストレスを感じると過食に走る人も多いですが、それとは逆に食欲が全くなくなってしまう人もいます。なぜならば、ストレスを感じると血糖値を上げるホルモンが分泌されやすくなるためです。
通常、食事を摂ることで血糖値が上がります。
そして血糖値が上がると、脳の視床下部にある満腹中枢が刺激され、満腹感を感じられるようになるのです。
しかしストレスを抱えている状態だと、食事をしなくても勝手に血糖値を上げるホルモンが分泌されてしまいます。
これにより、常に満腹感を感じてしまい、結果として食欲不振になってしまうのです。

また、食事を摂っていても量が少なければ、摂取されたエネルギーは体内の臓器のために使われ、髪に回される分はほとんどありません。
そのため、ストレスで食欲不振になってしまうと薄毛になる可能性があります。
不眠での薄毛
また、ストレスが原因で不眠になることもあります。
ストレスを長いこと抱えると、一度は眠りに入れても、またすぐに目が覚めてしまう中途覚醒という症状があらわれます。

こうした症状が続くと、今度は「眠れない」こと自体が新たなストレスとなり、余計に睡眠不足になるという悪循環に陥ってしまいます。
先ほども説明した通り、睡眠不足になると成長ホルモンが分泌されなくなります。
成長ホルモンが分泌されないため、髪の主成分であるタンパク質も作られません。
血行不良での薄毛
ストレスによって血行不良が引き起こされることもあります。
なぜならば、血行をコントロールしているのが自律神経であり、自律神経はストレスの影響を受けやすいからです。

血行をコントロールしている自律神経がバランスを崩すと、血管が収縮し、血行不良が引き起こされてしまいます。
すでに何度かお話ししてきましたが、食事で摂取された栄養は、血液が頭皮まで運んでくれます。

健康な髪の毛を育てるためには血管の働きが重要ですが、過度なストレスを長期間抱えると、こうした血行不良を起こしてしまいます。
以上のことから、薄毛にとってストレスは大敵であるといえます。ストレスの原因を完全になくすことは難しいでしょうが、適切にストレス解消を行うなどして対策を取ってみてください。
