ゼニカル

ゼニカルの成分の働き

ゼニカルの主成分オルリスタットは、摂取した食事に含まれる脂質の約30%を吸収阻害する肥満治療薬です。

腸内の脂肪を分解する為に働く酵素リパーゼに作用します。

消化器官での吸収を阻害した未消化の脂質を排便と共に体外に速やかに排出するのです。

食事で摂取される脂質は、脂肪酸3分子とモノグリセロール1分子がエステル結合した分子量の非常に大きなトリアシルグリセロールが大半を占めています。

しかし、人間の消化器官では分子量の大きな脂質をそのまま吸収する事が出来ません。

その為、人間の消化器官では、膵液や胃液などの消化液に含まれるトリアシルグリセリドリパーゼによって、食事で摂取される脂質トリアシルグリセロールを吸収可能な脂肪酸やモノグリセロールに分解しています。

トリアシルグリセリドリパーゼは、脂肪酸とモノグリセロールを結びつけているエステル結合を加水分解する事で遊離させ、効率の良い吸収を可能しています。

ゼニカルは、主成分のオルリスタットが酵素トリアシルグリセリドリパーゼの活性セリン残基と共有結合する事でカルボニル基の活性を促進させ働きを鈍化させる働きがあります。

トリアシルグリセリドリパーゼの働きが鈍化する事でエステル結合の加水分解率が約30%低下するので、食事で摂取される脂質の約30%の吸収を阻害する肥満薬です。

ゼニカルの主成分オルリスタットは、消化器官下部の腸管内で医薬成分のほとんどが働く事から風邪薬や鎮痛剤の様な一般的な医薬品の様に血流に乗って全身に行き渡る事が全くありません。

実際に血漿タンパク質との結合率も99%以上と非常に高いので細胞膜を透過して組織内にほとんど拡散する事が無く主要な臓器への残留も皆無と言えます。

ゼニカルの成主成分オルリスタットは、血中の最高濃度が半減するまでの時間が服用後1時間〜2時間。

非常に限定的な事から体内に拡散しても負担が非常に少なく、適切に減量作用を発揮させる為の注意事項にも食後1時間以内に服用と記載されているほど限定的です。

ゼニカルは、消化酵素の働きを鈍化させて人為的に消化不良を引き起こすので排泄される脂質と共にビタミンAやビタミン及びβカロテンなどの脂溶性ビタミンも一緒に排泄してしまう働きがあります。

長期服用する際には脂溶性ビタミン類を補うマルチビタミンなどのサプリメントをゼニカルの服用前後2時間を避けて服用するとさらに健康的かつ有意義なダイエットが可能となるのです。