タダラフィルは血管を広げる作用で、病気の治療に使われます。
一方、頻度は低いものの、副作用が出る可能性があります。また、相性の悪い薬や食べ物があるので注意が必要です。

タダラフィルの副作用
タダラフィルの作用が、正常な部位の血管も広げることで副作用が起こります。
たとえば、脳の血管が広がることで、周囲の神経が刺激され、頭痛が起こります。
また、血流が良くなることで血液のめぐりが激しくなり、ほてりが生じるのです。
副作用が起こる確率や症状は、薬によって異なります。
以下の表は、日本病院薬剤師会が作成した資料に記載されている、タダラフィルの副作用をまとめたものです。
タダラフィルの副作用
シアリス | ザルティア | アドシルカ | |
副作用が出る確率 | 30%
(257例中70例) |
10%
(894例中98例) |
60%
(323例中185例) |
主な症状 |
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いずれの症状も、タダラフィルが血流をよくすることによって起こります。
副作用が起こる頻度は低く、また、重い症状となることはめったにありません。

タダラフィルと相性の悪い薬
タダラフィルと一緒に飲むと、思わぬ副作用を引き起こしたり、タダラフィルの効果を打ち消してしまう薬が存在します。
タダラフィルと一緒に飲んではいけない薬は以下の通りです。
タダラフィルの併用禁忌薬
薬の種類 | 主な製品 | 禁忌の理由 |
硝酸剤、一酸化窒素供与剤 |
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血圧を過剰に下げる |
sGC刺激剤 | アデムバス |
硝酸剤、一酸化窒素供与剤
硝酸剤や一酸化窒素供与剤は、狭心症の治療に使われる薬です。
タダラフィルと同じ、血管を広げる作用を持ちます。血管が広がると、それだけ血圧も下がります。

sGC刺激剤
sGC刺激剤は、肺高血圧症の治療に使われる薬で、cGMPの合成を促すことで血管を広げます。
また、以下の薬は併用禁止ではないものの、タダラフィルの効果に支障をきたす可能性があります。
タダラフィルと併用注意の薬
薬の種類 | 主な製品 | 禁忌の理由 |
感染症治療薬 |
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タダラフィルの代謝を遅らせる |
抗菌薬 |
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タダラフィルの効果を弱める |
抗てんかん薬 |
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感染症の治療薬
一部の感染症の治療薬は、CYP3A4という肝臓の酵素を阻害します。
一方、タダラフィルはこのCYP3A4に分解されることで体内から抜けていきます。

タダラフィルが排出されないと、血中濃度が上がります。作用が強くなり、その分重い副作用を起こすリスクも高まるのです。
抗菌薬、抗てんかん薬
一部の抗菌薬と抗てんかん薬はCYP3A4を増加させます。
上述の通り、CYP3A4はタダラフィルを分解する働きをもちます。つまり、これらの薬はタダラフィルの効果を無効化してしまうのです。

グレープフルーツは副作用の原因になる
バルデナフィルを服用している間、グレープフルーツは控えましょう。
グレープフルーツに含まれている、フラノクマリンという成分は、タダラフィルの代謝を遅らせてしまいます。
代謝が遅れる分、体がタダラフィルの成分を吸収しすぎてしまい、上述の副作用を引き起こすリスクが高まるのです。