器質性EDとは、身体機能に問題があるために起こる勃起不全を指します。
陰茎につながる血管や神経、男性ホルモンの分泌、陰茎の形などに異常があることで、正常な勃起ができない状態です。
「性交するために十分な硬さにならない」「勃起が持続しない」「まったく勃起できない」など、症状の重さには振れ幅があります。
器質性EDの主な原因は「動脈硬化」と「神経の異常」
器質性EDは、様々な原因で起こります。主な原因は、加齢や生活習慣病による動脈硬化です。また、外科手術や事故による神経の損傷、神経に関係する病気も挙げられます。
ここでは、器質性EDの大きな原因となる「動脈硬化」と「神経の異常」について、詳しく解説します。
動脈硬化がEDを引き起こす
動脈硬化が起こると、血液を送り出す力が低下するため、EDが引き起こされます。
また、粥腫(しゅくしゅ)と呼ばれる脂質の塊により、血流が妨げられてしまうのです。
器質性EDの原因となる動脈硬化は、以下の病気や生活習慣によって起こります。
動脈硬化の要因
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糖尿病はEDとの併発率が高い病気です。
また、糖尿病を患っている人は、そうでない人よりも、EDの発症が10年から15年ほど早いとされています。そのほか、加齢や喫煙がEDの大きな原因となるのです。

器質性EDは生活習慣病や加齢が原因となるため、若い男性よりも中高年の男性に多くみられます。
神経の異常で勃起できなくなる
神経に異常があると、脳からの指令が陰茎に伝わらず、勃起機能が正常に働きません。
通常なら、脳が感じた性的刺激が神経を通して陰茎に伝わり、勃起が成立します。

しかし、脳から陰茎に繋がる神経が損傷したり断裂したりすると、脳の指令が陰茎まで伝達されません。そのため、勃起に支障が出てしまうのです。
勃起に影響を及ぼす神経の異常は、以下の要因で起こります。
神経の異常の要因
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糖尿病になると、神経が傷ついて麻痺してしまいます。また、陰部に近い部位の外科手術が行われた場合、陰茎部の神経が傷つき、EDになる可能性があるのです。
膀胱がんや前立腺がんの摘出手術は、精嚢の周りの神経ごと腫瘍を取り除くため、性機能そのものを失うリスクを伴います。