硝酸剤はその作用が原因で副作用が起こる可能性があります。また、条件によっては使えない場合があるので注意が必要です。
硝酸剤の副作用
硝酸剤は、頻度は低いものの副作用が起こる可能性があります。
患部だけでなく全身の血管も広げてしまうことで、様々な症状が生じる可能性があるのです。
硝酸剤の副作用は以下のものが挙げられます。
硝酸剤の副作用
発症部位 | 症状 |
循環器 | めまい
ふらつき 動悸 ほてり |
精神神経系 | 頭痛
脱力感 |
消化器 | 悪心
嘔吐 胃の不快感 食欲不振 |
副作用が起こる確率はおよそ5%です。
症状や頻度は薬の種類や剤形によってわずかに異なります。
副作用を過度に心配する必要はありませんが、このようなリスクがあるということは念のため把握しておきましょう。
硝酸剤を使えない場合がある
硝酸剤は、一緒に飲むと重い副作用を引き起こす薬があります。
また、持病や体質によっては使えない場合があるので注意が必要です。
硝酸剤と一緒に飲んではいけない薬がある
EDの治療薬であるPDE5阻害薬と、肺高血圧症の治療薬であるsGC刺激剤を使っている場合、硝酸剤は使用できません。
どちらも硝酸剤と同じく、血管を広げる効果があります。
持病や体質によっては硝酸剤がつかえない
硝酸剤は、体質や持病によっては体に悪影響を及ぼす場合があります。硝酸剤が使えない条件は以下の通りです。
硝酸薬が使えない条件
禁忌内容 | 理由 |
重い低血圧がある | 血圧が過剰に下がり重い症状がでる |
重い貧血がある | 血圧が下がり症状を悪化させる |
閉塞性隅角緑内障 | 薬の作用で眼圧が上がる |
過去に硝酸剤を使って過敏症になった | 以前より重い症状が出る可能性がある |
頭部外傷か脳出血がある | 頭蓋内圧が上がり再出血する可能性がある |
これらの条件に当てはまる場合、硝酸剤が使えないため、他の治療法が検討されます。