薬剤性EDとは、特定の薬が原因で勃起できなくなる状態です。
常用している薬の作用が、勃起機能を低下させることで起こります。

薬剤性EDの原因となる薬の多くは、EDを引き起こす病気の治療薬です。
そのため、常用薬を飲んでいるときにEDの症状が出た場合、持病と薬のどちらが原因か判別するのは困難です。
ひとつの病気に対して複数の治療薬がある場合は、全ての薬がEDの原因になるわけではありません。
体内での作用により、EDを引き起こす薬とそうでない薬があります。
薬剤性EDを引き起こす薬
薬剤性EDを引き起こす代表的な薬は、高血圧の薬とうつ病の薬です。他にも、さまざまな薬がEDの原因となります。
以下は、「ED診療ガイドライン 第3版」を参考に、薬剤性EDの原因となる薬をまとめた表です。
【薬剤性EDの原因となる薬】
薬の種類 | 代表的な成分 | 主な適応症 |
利尿薬 | ヒドロクロロチアジド | 高血圧症 |
β遮断薬 | アテノロール | |
カルシウム拮抗薬 | ニフェジピン | |
精神神経作用薬 | イミプラミン | うつ病 |
5α還元酵素阻害薬 | フィナステリド | 前立腺肥大症 |
抗痙縮剤 | バクロフェン | 痙性麻痺 |
参考サイト:ED診療ガイドライン第3版 / 日本性機能学会
ED診療ガイドラインをさらに遡ると、旧版には睡眠薬や抗てんかん薬、脂質異常症の薬なども記載されていました。
これらの薬を使っている人は、使っていない人よりもEDになる割合が高いという報告があります。しかし、上の表にある薬がなぜEDを引き起こすのか、具体的な仕組みは判明していません。
薬剤が血液の流れや神経の伝達を妨げ、勃起を阻害するのではないかと推測されています。