血管造影検査では、検査中や検査後に副作用が生じる可能性があります。
副作用の発生頻度は3%から5%、その中でも重篤な副作用発生の頻度は0.004%から0.04%です。

決して高い数字ではないですが、しっかりと副作用を把握しておきましょう。
ここでは、血管造影検査の副作用について、副作用が出やすい人の体質と、重い副作用に繋がる予兆を紹介します。
また、血管造影検査で生じる血管外漏出についても見ていきましょう。
【血管造影検査の副作用】
軽度な副作用 |
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重度な副作用 |
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その他副作用 |
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血管造影検査の副作用が出やすい体質がある
血管造影検査は、副作用が出やすい体質があります。主に以下の体質や持病を持っている人は、造影剤で副作用が発生しやすいです。
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副作用が出た際にすぐ対応してもらうため、自身の既往症や服薬中の薬を、検査前に医師に伝えておきましょう。
血管造影検査で副作用が重症化する前に出る症状
血管造影検査では、重症化する副作用の予兆として、検査中や検査直後に軽い副作用の症状が現れる場合があります。注意すべきは、以下の症状です。
予兆となる症状 | 重度な副作用 |
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検査中や検査直後にこれらの症状が出た際は、すぐに医師に知らせましょう。
重度の副作用に移行する可能性があります。
また、上記に該当しないような小さな異常でも、医師や看護師に伝えましょう。

医師側も副作用の予兆を見逃さずに済み、対処もすぐに行ってもらえます。
検査のリスク・造影剤の血管外漏出
血管外漏出は、造影剤が血管の外に漏れてしまい、痛みや腫れが生じる現象です。
血管外漏出が確認された場合は、血管造影検査を中止し、治療を行います。
血管外漏出が生じる可能性は、0.3%から0.9%と低いです。
万が一、造影剤が漏出した場合は、医師の判断で検査から治療に切り替えられます。
造影剤の漏出が考えられる症状は以下の通りです。
【血管外漏出した場合に見られる症状】
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参考文献:造影剤の適正使用推進ガイドFAQ 第10回 副作用発生時の対応素案
これらの症状が出た場合は、検査を中止します。具体的には、患部を冷やして炎症を軽減し、ステロイド剤や消炎鎮痛剤を用いるのです。

それでも改善しなければ、手術によって薬剤を排出させます。