マーベロン

マーベロンの副作用の中でも血栓症に注意する

マーベロンを服用するにあたり、血栓症には注意しなければなりません。

この記事では、血栓症について詳しく解説しています。

マーベロンの副作用の中でも血栓症には注意

マーベロンの副作用の中でも、特に血栓症には注意が必要です。

血栓症とは、血管の中で血液が固まってしまい、血液が流れなくなる状態です。

マーベロン以外のピルでも発症する可能性があります。

ピルを服用すると、エストロゲンが肝臓で代謝され、体内で血液を固める働きが強まるからです。

ピルの服用では、血栓症の中でも静脈血栓症を発症させます。静脈血栓症は、血流が遅い部分での血栓症で、深部静脈血栓症や脳梗塞、肺塞栓などの原因になります。

マーベロンの副作用で静脈血栓症を発症させる可能性は0.1%ほどとかなり低いです。

もし発症した場合は、できるだけ早い対応が望まれます。

ピルで血栓症が起こりやすい理由

ピルを摂取したことで女性ホルモンが増え、血栓症を起こしやすい状態になります。

普段、血管内で血液が固まらない理由は、血液を「固める」「解かす」バランスがコントロールされているからです。

しかし、女性ホルモンは、もともと血液・血小板・血管のそれぞれに働き、血栓を作りやすくする性質を持っています。

また、ピルに含まれるエストロゲンとプロゲステロンも、血栓症を作りやすくしています。

エストロゲン

マーベロンで血栓症が生じる理由の1つは、ピルに含まれるエストロゲンです。

エストロゲンは肝臓のグロブリン合成を促し、血液凝固タンパク質を増加させます。

その一方で、血液の凝固を抑制するタンパク質・アンチトロンビンを抑制してしまいます。

これが血栓症が生じやすい性質を強めてしまう理由です。

プロゲステロン

マーベロンに含まれるプロゲステロンも血栓症が生じる原因になります。

プロゲステロンは、悪玉コレステロールを増加させたり、糖の代謝に異常を生じさせることがあります。

これが原因で、動脈硬化や血管以上を引き起こしやすくします。

血栓症には前兆となる自覚症状がある

血栓症には、いくつかの前兆があります。マーベロンを服用してから、以下のような自覚症状を感じたら、ただちに服用を中止して、循環器内科・脳外科を受診して下さい。

【血栓症の自覚症状】

頭部激しい頭痛、めまい
目のかすみ
口や喉舌のもつれ、しゃべりにくい
胸部鋭い胸の痛み、突然の息切れ、押しつぶされるような胸の痛み
手・足ふくらはぎの痛み・腫れ、手足のしびれ、脱力・麻痺
その他失神

出典:マーベロン21,28 患者向医薬品ガイド/MSD株式会社:PDF

痛み止めが効かないような激しい頭痛や吐き気、ろれつが回らないといった症状があれば、脳外科を受診しましょう。それ以外の症状では、循環器科で対応が可能です。

早く症状に気付いて対応ができれば命の別状はないとされています。

血栓症になりやすい体質

マーベロンで血栓症にはなりやすい体質の人は、以下の通りです。

【血栓症になりやすい人】

  • 40歳以上の人
  • 肥満体型の人(BMI値30以上)
  • 喫煙者
  • 生活習慣病の人

いずれも血液が固まりやすい体質の人で、マーベロンを飲むことで、より血栓症を引き起こしやすくなります。

特に、40歳以上の人と喫煙者の人は注意が必要です。

40歳以上は~ヘビースモーカーの場合は、マーベロンの服用により、血栓症のリスクが10倍上がると言われています。

喫煙者の人がマーベロンを服用するには、禁煙が必要になります。

また、いきなり個人輸入でマーベロンを購入するのではなく、まずは病院で血栓症になりやすい体質かどうかの検査を受けましょう。

マーベロンによる血栓症の発症率は相対的に見れば低め

マーベロンを服用しているからといって、血栓症になる可能性が特別上がるかといえば、そういうわけではありません。

WHOの疫学調査では、マーベロンなどの第3世代のピルは第1・第2世代のピルよりも、副作用が少ない分、血栓症のリスクが2倍になります。

しかし、『低用量ピル適正使用マニュアル』によると、マーベロンによる血栓症の可能性よりも、妊娠によって血栓症になるのほうが高いです。

「第三世代デソゲストレルの血栓症のリスクは、他の世代の1年間に1万人当たり1人に対し2人という報告があり、妊娠による静脈血栓症の発症は1年間で1万人当たり6人である」

引用:低用量ピル適正使用マニュアル / 堀口雅子 / 105ページ

また、分娩後は妊娠後よりも血栓症の発症率が高いです。

このことから考えると、マーベロンの血栓症のリスクは、他のピルよりは少し高めですが、相対的にみると、消して高いわけではありません。

添付文書によると、マーベロンによる血栓症の発症率は0.1%です。第3世代のピルだからといって、それほど血栓症だけを危険視する必要ありません。

まとめ

マーベロンの副作用の中でも、血栓症には特に注意を払う必要があります。

血栓症には、いくつかの前兆があるので、その症状が出たらすぐに服用を中止しましょう。また、血栓症を発症させやすい体質があります。