マーベロン

マーベロンの禁忌事項

マーベロンの禁忌事項は、大きく4種類に分けられます。血栓症に関係するもの、性器癌に関するもの、肝臓に関するもの、それ以外です。

【マーベロンの禁忌事項】

血栓症に関する禁忌事項
  • 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある人
  • 35歳以上で1日15本以上タバコを吸う人
  • 片前兆を伴う片頭痛持ちの人
  • 肺高血圧症や心房細動を合併する心臓弁膜症を患っている人
  • 亜急性細菌性心内膜炎を合併する心臓弁膜症を患っている人
  • 血管病変を伴う糖尿病を患っている人
  • 抗リン脂質抗体症候群の人
  • 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内や長期間安静状態の人
  • 高血圧のある人
  • 脂質代謝異常のある人
  • 血栓症になりやすいとされている人
性器癌に関する禁忌事項
  • エストロゲン依存性悪性腫瘍や、子宮頸癌、またはその疑いのある人
  • 診断の確定していない異常性器出血のある人
肝障害に関する禁忌事項
  • 重篤な肝障害のある人
  • 肝腫瘍のある人
その他
  • 骨成長が終了していない可能性がある女性
  • 妊娠中に黄疸、持続性瘙痒症または妊娠ヘルペスを患っている人
  • 授乳婦
  • 本剤の成分に対し過敏性素因のある人
  • 耳硬化症の患者

参考資料:マーベロン21、28 医薬品インタビューフォーム

これらの禁忌事項は、マーベロンに限らず、ピル全般に言えます。それぞれ見ていきましょう。

血栓症に関する禁忌事項

マーベロンは、血栓症のリスクが高いため、血栓症に関する禁忌事項も多くなっています。

マーベロンは、血栓性を過去に発症させていたり、血栓を起こすリスクの高かったりする人は、飲んではいけません。

特に、35歳以上でヘビースモーカーの人は、血栓症を発症させやすいです。

画像引用:マーベロン21、28 医薬品インタビューフォーム

35歳未満の喫煙者と、35歳以上の喫煙者では、血栓症のリスクが大きく異なることが見て取れます。

また、血栓症のリスクは、1日15本以上の喫煙によって著しく増加するとされているのです。

これらはピル全般における血栓症の調査結果ですが、マーベロンは血栓症のリスクが他のピルよりも高いとされています。

マーベロンを服用する際は、禁煙しましょう。

性器癌に関する禁忌事項

マーベロンを始め、ピルの服用では、性器癌に関する禁忌事項が記載されています。

マーベロンに含まれるエストロゲンによって、性器癌が悪化する可能性があります。

そのため、乳癌や子宮癌を患っている人は、マーベロンを服用できません。

また、原因が不明な不正出血は、性器癌の可能性があるからです。

不正出血が性器癌だった場合、癌の進行を悪化させてしまいます。

不正出血が続く場合は、事前に子宮がんの検査をおこなう必要があります。

肝障害に関する禁忌事項

マーベロンを始め、ピルの服用では、肝障害に関する禁忌事項が記載されています。

国内で行われたマーベロンの臨床試験では、重篤な肝障害は発生しませんでした。

しかし、別の女性ホルモン合成剤では、黄疸や胆汁うっ滞性肝障害が生じています。

そのため、肝障害の人がマーベロンを服用すると、肝障害が悪化する可能性があるため、禁忌とされています。

その他の禁忌事項

他にも、さまざまな禁忌事項があります。

例えば、マーベロンに含まれるエストロゲンは、骨の成長を停止させます。

そのため、思春期の人はマーベロンの服用を禁じられているのです。

また、マーベロンは、妊婦が服用することを考慮されていないため、安全性が確立されていません。

他にも、マーベロンを服用しつつ授乳してしまうと、授乳を通して乳児にもエストロゲンが移行することがわかっています。

服用する際は、これらの禁忌事項をクリアしているか確認してから服用しましょう。