性病治療薬関連

抗寄生虫薬の薬剤耐性

抗寄生虫薬では薬剤耐性が起こります。

この記事では、薬剤耐性について解説して、抗マラリア薬の薬剤耐性とその対処法について触れていきます。

薬剤耐性って?

薬剤耐性とは、これまで効いていた抗寄生虫薬が効かなくなることです。

抗寄生虫薬の中では、マラリアの治療薬に対する薬物耐性が問題となっています。

いくつもの薬に耐性を持ったマラリア原虫(多剤耐性マラリア)には、アルテミシニンを中心とした薬剤を併用して用いる治療法が採られています。

抗マラリア薬の薬剤耐性が拡がっている

抗マラリア薬に薬剤耐性を持ったマラリア原虫(以下、薬剤耐性マラリア)が世界中で広まっています。

薬剤耐性マラリアは、血中のマラリア原虫が抗寄生虫薬に触れることで、何らかの突然変異が起きることから始まります。

同じ薬剤が続けて使用されることで突然変異により薬剤耐性が発生し、寄生虫の集団内で薬剤耐性が広がるのです。

そうしてマラリア流行地で徐々に薬剤耐性マラリアが広がります。

何種類もの薬剤に対して耐性を持つ多剤耐性マラリアも登場し、マラリアの治療はより難しくなっています。

多剤耐性マラリアの対処法は、薬剤の併用療法が採られている

多剤耐性マラリアの対策としては、アルテミシニンを主軸にした多剤併用療法(artemisinin-based combination therapy、以下、ACT)が採られています。

ACTは、これまで耐性がついて効かなくなった薬をアルテミシニンと併用して使うことで、それぞれの薬効の相乗効果を高めます。

それによって薬剤の耐性獲得の確率を下げることを目的としています。

アルテミシニンを単剤で使うのと、他の薬と併用して使うのでは、薬剤耐性がつく確率が100億分の1まで下がるのです。

日本では、アルテミシニン配合剤として、上述したリアメット配合錠が治療で用いられています。