勃起力

狭心症とEDの関係

狭心症とEDは共通の原因があるため、併発する場合があります。

狭心症の治療薬とED治療薬は、種類によっては併用できないものがあるため、並行して治療する場合は注意しなければいけません。

狭心症とEDはセットで発症する

狭心症とEDは併発することがあります。なぜなら、どちらの病気も動脈硬化が大きな原因になるからです。

狭心症は、冠動脈が狭くなり、心臓が酸素不足になることで起こります。

一方、EDは陰茎の中の毛細血管が狭くなり、海綿体に血液が溜まらなくなることで起こります。

狭心症とEDは、どちらも動脈硬化によって血流が悪くなるのが大きな原因になります。

そのため、動脈硬化によって一方が発症したとき、もう一方も併発する可能性が高いのです。

狭心症の薬とEDの薬は併用できない

狭心症の治療薬の中でも、硝酸薬はED治療薬と併用できません。併用できるのはカルシウム拮抗薬だけです。

硝酸薬は、体内で一酸化窒素を生成することで血管を広げ、冠動脈の血流を改善する薬です。

ED治療薬は血管を広げる物質の働きを促進して、海綿体に血液が正常に流れるようにします。

血管が広がると血圧が下がり、血液を全身に循環させる力が弱まります。

硝酸薬とED治療薬を一緒に飲むと血圧が過剰に下がり、重い症状を引き起こす危険性があるのです。

カルシウム拮抗薬は、硝酸薬と同じく、血管を広げる効果を持つ薬です。

しかし、硝酸薬と違い、ED治療薬と併用できます。

バイアグラの医薬品インタビューフォームでは、「相互作用が認められておらず使用を考慮しても良い」と記載されています。

狭心症の薬がEDの原因になる

カルシウム拮抗薬、またはβ遮断薬を服用していると、EDを発症する可能性があります。

これらの薬がEDを引き起こす原因はまだわかっていません。

ED診療ガイドライン第3版には「カルシウム拮抗薬とβ遮断薬は、勃起機能への悪影響を示唆する報告が多い」と記載されています。

狭心症とEDを併発したら医師に相談

狭心症とEDを併発したら、かかりつけの医師と相談しましょう。

狭心症の症状が軽度で、硝酸薬を使っていなければ、ED治療薬を飲めます。

カルシウム拮抗薬とβ遮断薬はED治療薬と併用しても問題ありません。

また、ED治療には飲み薬を使わない方法もあります。

海綿体注射は、海綿体に薬を注射して勃起を促す方法です。

陰圧式勃起補助具は、ポンプのような器具で圧力をかけることで、陰茎を勃起状態にします。

自己判断でED治療薬を飲むと、思わぬ副作用が起こる可能性があるので注意が必要です。

また、狭心症の治療薬の服用を勝手に中断すると、病状が悪化する危険性があります。

狭心症とEDを併発したら医師の指示を仰ぎ、適切な処置を受けましょう。