硝酸イソソルビド

硝酸イソソルビドってどんな薬?

硝酸イソソルビドは、硝酸剤という薬の成分の1種です。血液の流れを正常にする効果があり、狭心症や心筋梗塞の治療に使われます。

硝酸イソソルビドは虚血性心疾患の治療に使われる

硝酸イソソルビドは、硝酸剤に使われる有効成分の1種です。

硝酸剤は、狭心症や心筋梗塞など、心臓の血流に関わる病気(虚血性心疾患)の治療に使われます。

硝酸剤に使われる有効成分は、硝酸イソソルビドの他に「ニトログリセリン」「亜硝酸アミル」があり、症状や患者の体質に合わせて使い分けられます。

硝酸イソソルビドは血管を広げて心臓の血液不足を改善する

硝酸イソソルビドは、血管を広げる作用があります。

硝酸イソソルビドが体内に吸収されると、一酸化窒素が産生され、血管を構成している筋肉が緩みます。

狭心症をはじめとした虚血性心疾患の主な原因は、老化や動脈硬化によって、血管が狭くなることです。

硝酸イソソルビドを使えば、狭くなった血管が広がり、虚血性心疾患の症状が改善されるのです。

硝酸イソソルビドの特長

硝酸イソソルビドの特長は、他の硝酸薬に比べて、効果が長く続くことです。

また、硝酸イソソルビドが使われている薬は様々な形があり、それぞれ効果の現れかたや使いやすさが異なります。

硝酸イソソルビドの特長について見ていきましょう。

効果が長く続くので発作の予防に有効

硝酸イソソルビドの特長は、効果の持続時間の長さです。

薬の形や用量によりますが、最長で48時間に渡って効果を発揮します。

狭心症の発作は運動で心臓に負担がかかったときに起こる場合もあれば、突然生じる場合もあります。

体を動かすときや、発作が起こってほしくないときに事前に飲んておくことで、発作を未然に防げるのです

硝酸イソソルビドは様々な形の薬がある

硝酸イソソルビドの薬は様々な形のものが作られており、使いかたや効果のあらわれかたが異なります。

以下の表は、硝酸イソソルビドの薬を形ごとにまとめたものです。

硝酸イソソルビドの剤形

剤形使い方特長
舌下錠
  • 舌の裏で溶かす
  • すぐに効果が出る
錠剤(徐放錠)
  • 水と一緒に飲む
  • 体内にゆっくり吸収される
カプセル
スプレー
  • 口の中に噴射する
  • すぐに効果がでる
  • 唾液の少ない高齢者でも使いやすい
テープ
  • 上半身、または太ももに貼る
  • 飲み薬が使えない人も使える
注射
  • 点滴で静脈に注射する
  • すぐに効果が出る
  • 急性心不全にも有効

硝酸イソソルビドは薬の形によってそれぞれメリットがあり、患者の病状や体質に合わせて使い分けられるのです。

使い続けていると耐性がつくので注意

硝酸イソソルビドは、使い続けていると体に耐性がつき、効果が弱くなってしまう場合があります。

原因はまだ解明されていません。

硝酸イソソルビドが効かなくなったら、一時的に服用を中断します。

耐性は24時間から96時間でなくなり、再び薬が効果を発揮するようになります。

耐性がつくのを防ぐため、硝酸イソソルビドをは、医師に決められた用法、用量をしっかりと守って使いましょう。