硝酸剤

硝酸剤ってどんな薬?

硝酸剤は血管を広げることで、血流を改善する効果をもちます。

その作用から「血管拡張薬」に分類されます。

狭心症や心筋梗塞など、心臓の血流の悪さが原因で起こる「虚血性心疾患」に有効です。

硝酸剤は発作を鎮める効果のものと、発作が起こらないうようにする効果のものがあります。

硝酸剤は一酸化窒素を生成して血管を広げる

硝酸剤は体内で一酸化窒素を作り出す働きを持ちます。

硝酸剤が体内で代謝されると、一酸化窒素が生成されるのです。

一酸化窒素はcGMPという物質を作ることで、血管の筋肉を緩めます。

虚血性心疾患は、動脈硬化などで心筋に流れる血液が不足することで起こるため、硝酸剤の血流を改善させる効果が有効なのです。

硝酸剤は様々な剤形がある

 硝酸剤に使われる成分は3種類で、いずれも様々な形で使われます。

錠剤やカプセルのような飲み薬だけでなく、スプレーや貼り薬などがあり、効果のあらわれ方が変わります。

硝酸剤に使われている成分は以下の3種類です。

硝酸剤の成分

  • ニトログリセリン
  • 硝酸イソソルビド
  • 亜硝酸アミル

これらの成分は、以下の形で製剤されます。

硝酸剤の剤形

剤形使い方
錠剤経口投与する
カプセル
舌下錠舌の上で溶かす
スプレー口の中に噴霧する
シート胸部や背中に貼る
注射点滴として静脈に投与する

舌下錠とスプレーは即効性が高く、急に発作が起こったときに有効です。

シートは内服薬と違って成分が肝臓で吸収されず、効果が長く続くのが特徴。あらかじめ貼っておくことで、発作が起こるのを未然に防ぎます。