検査

血管造影検査の造影剤で副作用が生じる

血管造影検査では、検査中や検査後に副作用が生じる可能性があります。

副作用の発生頻度は3%から5%、その中でも重篤な副作用発生の頻度は0.004%から0.04%です。

決して高い数字ではないですが、しっかりと副作用を把握しておきましょう。

ここでは、血管造影検査の副作用について、副作用が出やすい人の体質と、重い副作用に繋がる予兆を紹介します。

また、血管造影検査で生じる血管外漏出についても見ていきましょう。

【血管造影検査の副作用】

軽度な副作用
  • 吐気、嘔吐
  • 頭痛、発熱
  • 発疹、かゆみ
  • くしゃみ、咳、喉の違和感
重度な副作用
  • 不整脈
  • 血圧低下
  • 痙攣
  • 腎不全
  • 呼吸困難
  • 意識低下または意識消失
その他副作用
  • 血管外漏出

血管造影検査の副作用が出やすい体質がある

血管造影検査は、副作用が出やすい体質があります。主に以下の体質や持病を持っている人は、造影剤で副作用が発生しやすいです。

  • アレルギー体質
  • 気管支喘息
  • 腎機能が低下
  • 糖尿病薬の服用

副作用が出た際にすぐ対応してもらうため、自身の既往症や服薬中の薬を、検査前に医師に伝えておきましょう。

血管造影検査で副作用が重症化する前に出る症状

血管造影検査では、重症化する副作用の予兆として、検査中や検査直後に軽い副作用の症状が現れる場合があります。注意すべきは、以下の症状です。

予兆となる症状重度な副作用
  • 便意
  • 冷や汗
  • 生あくび
  • 血圧低下
  • 息苦しさ
  • 呼吸困難

検査中や検査直後にこれらの症状が出た際は、すぐに医師に知らせましょう。

重度の副作用に移行する可能性があります。

また、上記に該当しないような小さな異常でも、医師や看護師に伝えましょう。

医師側も副作用の予兆を見逃さずに済み、対処もすぐに行ってもらえます。

検査のリスク・造影剤の血管外漏出

血管外漏出は、造影剤が血管の外に漏れてしまい、痛みや腫れが生じる現象です。

血管外漏出が確認された場合は、血管造影検査を中止し、治療を行います。

血管外漏出が生じる可能性は、0.3%から0.9%と低いです。

万が一、造影剤が漏出した場合は、医師の判断で検査から治療に切り替えられます。

造影剤の漏出が考えられる症状は以下の通りです。

【血管外漏出した場合に見られる症状】

  • 漏出箇所の痛み
  • 麻痺
  • 皮膚が青くなる 
  • 冷感

参考文献:造影剤の適正使用推進ガイドFAQ 第10回 副作用発生時の対応素案

これらの症状が出た場合は、検査を中止します。具体的には、患部を冷やして炎症を軽減し、ステロイド剤や消炎鎮痛剤を用いるのです。

それでも改善しなければ、手術によって薬剤を排出させます。