B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって発症する肝臓の病気です。
この記事では、B型肝炎についてとその原因・感染経路について解説しています。
B型肝炎とは
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって発症する肝臓の病気です。
B型肝炎はHBVに感染することによって発症にはB型急性肝炎とB型慢性肝炎があります。
B型急性肝炎は肝細胞に炎症が起き、一時的に症状が悪化するものの、数ヵ月以内に治癒する肝臓病のことです。
しかし、そのまま治らずに肝炎が慢性化し、B型慢性肝炎へと移行することもあります。

慢性肝炎になり、治療をせず放置すると、数十年を年月を経て肝硬変、肝癌へと進行していきます。注意が必要な疾患です。
原因と感染経路
B型肝炎はヘパドナウイルス科に属するB型肝炎ウイルス(HBV)が原因で発症します。
人間の身体はHBVが人にとって異物と認識した場合には免疫機能が働き、体内から排除しようとします。

このとき肝細胞が炎症を起こすのです。
HBVの感染経路は、 ウイルスに感染している人の血液・体液です。感染経路は2種類あり、垂直感染と水平感染に大別されます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
垂直感染
垂直感染とは、HBVに感染している母親から出産のときの産道の血液を介して新生児にHBVが感染することを言います。
1986年から母子感染防止策がとられており、垂直感染はほとんど起きていません。

免疫機能が発達していないからです。
そのため、HBVは排除されないまま、肝細胞に住み着きます。
水平感染
B型肝炎の水平感染の例としては、以下のものがあげられます。
- 輸血
- 予防接種
- 医療従事者間の針刺し事故
- 性行為
- 入れ墨、ピアス、覚醒剤の注射器などの不衛生な針の使いまわし
輸血・予防接種・医療従事者間の針刺し事故については対策が採られており、2018年現在では感染の可能性はほとんどありません。
しかし、性行為や入れ墨・覚せい剤などでの針や注射器の使いまわしでの感染は2018年現在でも多く発生しています。
HBVは感染力が強く、血液だけでなく精液や膣液などの体液、そして唾液(ディープキス)からも感染するのです。
2020年現在では若年層を中心に感染が拡大しています。