PDE5阻害薬とは、EDや前立腺肥大症など、4つの病気の治療に使われる薬です。特定の部位の筋肉を緩めることで、病気の症状を改善します。
PDE5阻害薬は筋肉を緩める薬
PDE5阻害薬は、「ホスホジエステラーゼ5(PDE5)」という酵素の働きを抑え、平滑筋を緩める作用を持つ薬です。
平滑筋とは、血管や前立腺、臓器などを構成している筋肉のことです。平滑筋は「cGMP」という物質によって緩みます。

PDE5阻害薬がPDE5の働きを抑えると、cGMPが分解されることなく増加していくのです。
その結果、平滑筋が緩み、血流が良くなります。
PDE5阻害薬はこの作用によって、勃起不全や前立腺肥大症を含めた4種の病気の治療に効果を発揮するのです。
また、PDE5阻害薬は数種類あり、病気の種類や症状の重さによって使い分けられます。
PDE5阻害薬は4種類の病気に効く
PDE5阻害薬は、EDをはじめ、4種類の病気の治療に使われます。
PDE5阻害薬の平滑筋を緩める作用が、様々な症状に効果を発揮するのです。
勃起不全
勃起不全(ED)は性交に十分な勃起ができなくなる病気です。
勃起不全の大きな原因は、陰茎の血流が悪くなり、陰茎の中に血液がたまらなくなることです。
この作用によって、陰茎に血液が溜まり、正常な勃起ができるようになるのです。
前立腺肥大症
前立腺肥大症は、前立腺が肥大化したり、前立腺の平滑筋が異常に収縮したりする病気です。
前立腺は、尿道を取り囲むように位置しています。
そのため、前立腺に異常があると、尿道が圧迫され、排尿障害が起こるのです。
PDE5阻害薬は前立腺の平滑筋を緩めることで、排尿障害を改善します。
肺動脈性肺高血圧症
肺動脈性肺高血圧症は、心臓から肺に繋がる肺動脈の血流が悪くなり、血圧が上昇してしまう病気です。
狭くなった肺動脈に血液を流そうとして、心臓に大きな負担がかかり、心不全の原因となります。

狭心症
狭心症とは、心筋に酸素を送っている冠動脈という血管が狭くなり、胸痛が起こる病気です。
悪化すると心筋梗塞となり、命に関わります。
PDE5阻害薬を使うことで冠動脈の流れがよくなり、症状が緩和されます。