PDE5阻害薬は正常な部位の平滑筋にも作用するため、副作用を起こす可能性もあります。また、一緒に飲んではいけない薬があるので、飲み合わせに注意しなければいけません。
主な副作用は頭痛とほてり
PDE5阻害薬の主な副作用は、頭痛やほてり、鼻づまりなどが挙げられます。
血管が広がって神経とぶつかったり、血流が普段よりも激しくなったりするのが原因です。副作用の頻度はおよそ1%から10%です。発症しても大抵は軽症で済みます。
しかしごくまれに、重い症状がでる可能性があります。
副作用の症状や頻度は、薬の種類や用量によって異なります。
以下のリストは、PDE5阻害薬の1つである「バイアグラ」の副作用の中から、代表的なものを抜粋したものです。
バイアグラの軽い副作用
- 頭痛
- ほてり
- めまい
- はなづまり
また、まれに以下のような重い症状が現れる場合もあります。
バイアグラの重い副作用
- 視覚異常
- 呼吸困難
- 頻脈
- 持続勃起症
重い副作用が起こることはまれなので、過度に心配する必要はありません。
PDE5阻害薬を服用するときは添付文書を確認し、どのような副作用があるのかあらかじめ把握しておきましょう。
併用禁忌薬に気を付ける
PDE5阻害薬には、一緒に飲んではいけない「併用禁忌薬」が存在します。
以下の表は、PDE5阻害薬の併用禁忌薬の一部をまとめたものです。
PDE5阻害薬の主な併用禁忌薬
薬の種類 | 理由 |
硝酸薬・NO供与薬 | 血圧を過剰に下げる |
sGC刺激剤 | PDE5阻害薬の代謝が遅れ、効果が過剰に高まる |
CYP3A4阻害薬 | |
抗不整脈薬 | 脈拍異常が起こる |
アデノシン | アデノシンの作用が高まり、心停止が起こる可能性がある |
さらに、重い副作用は起こさないものの、併用に注意しなければいけない薬もあります。
P併用注意の薬は、血圧を下げる降圧剤や一部の抗生物質などです。
相性の悪い薬は、PDE5阻害薬の種類によって異なります。

PDE5阻害薬の種類
日本国内では、4種類のPDE5阻害薬が使われています。いずれも作用は同じですが、用量や有効な病気が異なります。以下の表は、日本国内で処方されているPDE5阻害薬についてまとめたものです。
日本国内で処方されているPDE5阻害薬
成分名 | 製品名 | 適応症 |
シルデナフィル | バイアグラ | 勃起不全 |
レバチオ | 肺動脈性高血圧症 | |
バルデナフィル | レビトラ | 勃起不全 |
タダラフィル | シアリス | 勃起不全 |
ザルティア | 前立腺肥大症 | |
アドシルカ | 肺動脈性高血圧症 | |
ジピリダモール | ペルサンチン |
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これらの薬は、作用に違いはありません。しかし、治療する病気によって、1錠あたりに含まれている用量が調節されています。