ED治療薬

シルデナフィルは血管を広げる効果を持つ

シルデナフィルは、血管を広げ、血のめぐりを良くする効果をもった成分です。

この効果により、勃起不全や肺動脈性肺高血圧症の症状が改善されます。

ここでは、血管が広がる仕組みをまず説明します。続いて、シルデナフィルがどのような作用で血管を広げるのかを見ていきましょう。

血管の広さは平滑筋によって変わる

血管は複数の膜で覆われており、なかでも一番内側にあるのが平滑筋(内膜)です。

この平滑筋が伸び縮みすることで、血管の広さが変わります。

平滑筋が緩むと血管は広がり、縮むと血管は狭まるのです。

平滑筋は、cGMP(環状グアノシンーリン酸)と呼ばれる物質が働くことで緩みます。

それに対し、平滑筋を縮める作用をもつのはPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素です。

PDE5には、cGMPを分解して血管を狭める働きがあります。つまり、cGMPは血管を広げるスイッチ、PDE5が血管を狭めるスイッチのようなものです。

PDE5を阻害して血流を改善する

シルデナフィルは、PDE5を阻害する作用をもつ薬です。

勃起不全と肺動脈性肺高血圧症は、いずれも患部の血流が悪くなることで起こります。

そこで、シルデナフィルによってPDE5を阻害し、cGMPの働きを促すのです。

cGMPの働きが促進されると血流はよくなり、これらの症状が改善されます。この働きから、シルデナフィルはPDE5阻害剤とも呼ばれるのです。