ED治療薬

タダラフィルって何?徹底解説!

タダラフィルはアメリカのイーライリリー社が開発した薬の成分です。日本国内では2007年から販売されるようになりました。

もともとED治療のために作られた薬です。

しかしあとから、他の病気にも効果があることが分かり、勃起不全を含めた3つの病気の治療に使われるようになりました。

ED薬としては一番新しく作られた薬であり、先に開発されたものよりも効果が改善されています。

また、他の勃起不全治療薬に比べて、副作用や、併用できない薬の種類が少ないのも特徴です。

それではまず、タダラフィルが体に働きかける仕組みについてみていきましょう。

タダラフィルの作用

タダラフィルは血管の拡張を促し、血流を良くする効果を持ちます。この効果によって、EDをはじめとした病気の治療に役立つのです。

血管は平滑筋という筋肉で覆われています。これが縮んだり緩んだりすることで、血管の広さが変わるのです。

平滑筋はcGMP(環状グアノシン一リン酸)という物質が働くことで緩みます。

一方、PDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素がcGMPを分解することで、平滑筋が収縮します。

タダラフィルは、血管を収縮させるPDE5を抑制することで、cGMPの働きを促し、血管を拡張させるのです。そのため、PDE5阻害剤とも呼ばれます。

この作用により、タダラフィルは勃起不全、前立腺肥大、肺動脈性肺高血圧症の治療に使われるのです。

次は、タダラフィルが、それぞれの病気を治療する仕組みを解説します。

勃起不全

勃起不全は陰茎に血液がいかないことが原因で起こります。

通常、勃起は陰茎内の血管がcGMPによって広がり、海綿体に血液が流れ込んで溜まることにより成立します。

しかし、何らかの原因でcGMPが不足、またはは血液が十分にたまらず、勃起できなくなるのです。

タダラフィルはPDE5を阻害することで、cGMPが正常に作用し、性交に十分な勃起ができるようになります。

前立腺肥大

前立腺が肥大化すると、尿道が圧迫されることで排尿障害が起こります。

前立腺肥大による排尿障害は2つのパターンに分かれます。1つは肥大化した前立腺そのものが尿道を圧迫するパターン、もう1つは、前立腺の平滑筋が過剰に収縮して尿道を圧迫するパターンです。

後者の理由で前立腺が尿道を圧迫している場合、タダラフィルで治療できます。

前立腺の平滑筋を緩めることで、正常な排尿ができるようになります。

肺動脈性肺高血圧症

肺動脈性肺高血圧症とは、心臓から肺に血液を送る肺動脈が、狭く、あるいは固くなってしまう病気です。PAHとも呼ばれます。

肺は呼吸で取り入れた酸素を血液に入れる役割を持ちます。

肺動脈が狭まって肺に十分な血液がいかないと、酸素が全身にいきわたりません。その結果、低酸素血症になってしまうのです。

また、狭くなった肺動脈にどうにか血液を送ろうとした結果、心臓に負担がかかり、心不全を引き起こします。

タダラフィルは、中度からやや重いPAHの治療に使われます。

タダラフィルの作用で肺動脈を広げ、血圧を下げることで症状を緩和できるのです。