性病治療薬関連

抗真菌薬の副作用と薬剤耐性の危険性

抗真菌薬には副作用があります。また、薬剤耐性を持つ危険もあるのです。

この記事では、抗真菌薬の副作用と薬剤耐性について解説しています。

抗真菌薬の副作用

抗真菌薬の副作用については、外用薬では副作用は少なく、内服薬では胃腸関係や腎機能に異常が発生することがあります。

外用薬と内服薬にそれぞれ見ていきましょう。

外用薬の副作用

外用薬の副作用では、薬が体に合わない場合は患部が刺激を受けて赤くなることがあります。

他にはかゆみや痛み、かぶれを起こします。

外用薬は患部に直接使用するため、健康状態に影響するような大きな副作用はほとんどありません。

内服薬の副作用

内服薬の副作用で最も多いのは下痢や胃痛、食欲不振といった胃腸関係に異常が発生する場合が多いです。

これらの症状は服用して比較的すぐに現れます。他には、腎臓や肝臓の機能障害が生じます。

重篤な肝機能障害は投与開始後2ヵ月以内に発症するので、投与開始後は月1回血液検査を行います。

抗真菌薬や飲み合わせによって相互作用を起こしやすいので、受診する際は医師に現在自分が飲んでいる薬を報告するようにしましょう。

抗真菌薬の薬剤耐性

抗真菌薬における薬剤耐性とは、真菌症に対してこれまで有効だった抗真菌薬が効かなくなることを言います。

薬剤耐性は真菌が突然変異を起こし、自身を抗菌薬の効かない性質に変えることで発生します。

耐性を持った遺伝情報を周囲の遺伝子に伝えることで、薬が効かない体になってしますのです。

ここでは抗菌薬の薬剤耐性についてその仕組みと、抗菌薬での薬剤耐性の現状を解説します。

抗真菌薬の薬物耐性が起こる仕組みは2パターンある

真菌にとって抗真菌薬は自身を危険に晒す存在です。抗真菌薬の脅威から、真菌は2つの方法で自身を守ります。

1つ目は、真菌が自身の構造を変化させる方法です。

真菌は自分の構造を変化させることで抗菌薬が効力を発揮できなくさせます。

もう1つは、真菌は抗真菌薬を細胞外へ排出するポンプを身に着けることで、薬剤から身を守ります。

抗真菌薬の薬剤耐性は深在性真菌症で確認されている

抗真菌薬は、水虫などの表在性真菌症などは耐性菌は確認されていません。

一方、肺アスペルギルス症などの臓器で発症している深在性真菌症では薬物耐性が確認されています。

水虫などの皮膚で発症する表在性真菌症では薬物耐性は確認されていません。

皮膚の真菌症の場合は菌の増殖が遅く、また塗り薬なので体の奥深くまで薬が浸透せず、耐性菌が発生しにくいのです。

一方、肺アスペルギルス症やカンジタ症など真菌が内臓に達している深在性真菌症では薬剤耐性があります。

理由としては、治療期間の長さです。

深在性真菌症の治療は数カ月から数年にまで及びます。

治療期間が長いということはそれだけ長く抗真菌薬を投与することになるので、薬剤耐性が発生する危険性が伴うのです。

確認されているのは、アゾール系抗真菌薬がカンジタ症やアスペルギルス症で薬剤耐性が発生しやすいことがわかっています。

また、キャンディ系抗真菌薬もカンジタ症治療で薬剤耐性が発生しています。

薬剤耐性を持つと、治療法が限られます。薬の飲み忘れ等には気をつけましょう。