C型肝炎の治療法は、抗ウイルス療法と肝庇護療法の2種類があります。この2つの治療法の目的は、C型肝炎ウイルス(HCV)の排除と病気の進展予防です。
それぞれの治療法について、詳しく見ていきましょう。
抗ウイルス療法
抗ウイルス療法はHCVを体の中から排除する治療法です。抗ウイルス療法は「インターフェロン治療」と「インターフェロンフリー治療」の2種類あります。
インターフェロン治療
インターフェロン治療は、インターフェロンという注射薬でHCVの排除する治療法です。
インターフェロンは体のウイルス防御機構を活性化させることによってHCVを排除します。
ですが、血中ウイルス量によって効き目が左右したり、患者個々の遺伝子によっても効き目が変わったりするなど、効果が不確定でした。
また、副作用が強いという問題もあります。そのため、インターフェロン治療を単独で行うことは少なくなりました。
インターフェロンフリー治療
インターフェロンフリー治療は飲み薬でHCVの排除する治療法です。
日本では2014年9月からこの治療法が導入され、以降インターフェロンフリー治療が主流となりました。
インターフェロンフリー治療は飲み薬だけで済み、副作用が少ないのが特徴的といえます。
また、適切な薬を用いればウイルス除去率は95%以上と非常に有効な治療法です。
しかし、HCVは変異を起こしやすいウイルスでもあるため、薬に対する耐性を持ってしまった場合は効果が悪くなります。
また、腎機能に重い障害を持つ人や、透析を必要とする腎不全の人などは薬の性質上この治療を受けられません。
他にも薬の飲み合わせにも注意が必要など、制約も多いのです。
そういった各患者の諸事情を考慮し、インターフェロン注射を併用する場合もあります。
肝庇護療法
肝庇護療法は肝炎の悪化を防ぎ、肝硬変の進展を抑える治療法です。
肝庇護療法はいわば、肝臓の機能を保つための治療といえます。
この治療ではHCVは排除されませんが、副作用が少なく高齢者でも安心してできる治療です。
飲み薬と注射薬があり、状況に応じて使い分けます。
また、肝庇護療法の一環でインターフェロン注射を行うことがあります。
これはウイルス排除を目的としておらず、症状を緩和させるための処置として行うのです。