性病治療薬関連

抗真菌薬とは

抗真菌薬とは、真菌による感染症の治療薬です。

この記事では、抗真菌薬の特徴や抗菌薬との違いについて解説しています。

抗真菌薬とは

抗真菌薬とは、真菌による感染症の治療薬です。

真菌とはカビのことです。

真菌(カビ)はキノコ類やパンに含まれる酵母のように私たちにとって身近なものではありますが、時には人間の健康を害する真菌もいます。

このように、人間に害を為す真菌による感染症を真菌症と呼び、抗真菌薬は真菌症の治療に用います。

真菌の細胞は細胞膜と細胞壁によって守られています。

抗真菌薬はその細胞膜・細胞壁を破壊したり、細胞膜の生成を邪魔することで真菌を殺すのです。

抗真菌薬には外用薬・内服薬・注射薬とあり、発症している箇所によって使用する薬を変えます。

外用薬

外用薬はいわゆる塗り薬で、皮膚の表面に発症している真菌症に用います。

代表的な例は、水虫やたむしです。

他にも皮膚カンジダ症や性器カンジダ症などが代表的な皮膚真菌症では外用薬を用います。

内服薬・注射薬

内服薬や注射薬は皮膚以外に発症している真菌薬に用います。

代表的な例では、深部表在性真菌症や深在性真菌症の治療に用いられるのです。

重度な表在性真菌症や爪の中に水虫ができてしまった場合なども内服薬や注射薬を用いることがあります。

抗真菌薬と抗菌薬の違い

抗真菌薬と抗菌薬は名前は似ていますが、全く違います。

  • 抗真菌薬:真菌(カビ)が原因の病気に対して、抗菌薬は細菌が原因の病気に対して用いられる。
  • 抗菌薬:主に淋菌が下人の淋病やクラミジア感染症、マイコプラズマ肺炎などに用いられる。

もともと真菌と細菌には、遺伝子を包み込む核の有無、という構造上の大きな違いがあります。

細菌には遺伝子が細胞の中に何の仕切りもなく入れられていますが、真菌には核と呼ばれる「DNAなどの遺伝情報を包み込む膜」が存在するのです。

人間の細胞にも真菌と同じように核があり、構造としては非常に似ています。

そのため、真菌にだけ効く薬というのが発明しにくく、抗真菌薬は薬剤の数が非常に少ないといえます。

抗真菌薬と抗菌薬は全く別の微生物に効果を発揮するのです。抗菌薬について詳しくは過去記事を参照下さい。